前々回の記事では宝塚歌劇団の現役生徒の芸名に使われる字について調べ、それぞれの芸名に含まれる字を使っている延べ人数(以下「人数和」)を算出しました。
このデータを用いて筆者の好きな人たちの名前はタカラジェンヌだとどなたに近いのかを調べようと思い立ち、前回の記事ではHiHi Jetsをはじめとする一部ジャニーズJr. のアイドルの皆さんの名前で人数和を算出しました。
※この記事から読まれた方はおそらく筆者が何をやっているのかよく分からなくなると思われますので、前々回そして前回の記事に一度目を通していただけると良いかと存じます。※
今回調べたのは、筆者がプレイしているドラマチックアイドル育成カードゲーム「アイドルマスターSideM」。約5年半プロデューサー(アイドルマスターシリーズにおけるプレイヤーの呼称)をしていて、宝塚歌劇の初観劇はその1年前。学生時代に触れて以来マイペースにずっとファンを続けている貴重な二大コンテンツでもあります。このブログではSideMのアイドルたちで宝塚歌劇団のレビューを空想配役するどころか、最近は空想組配属を順次記事にしている最中で、まあ本当に楽しい。
そんなわけでSideMに登場する315プロダクション所属アイドル46名について、現役タカラジェンヌの芸名に使われている字の一覧を用いて人数和を算出。さらにそれぞれの氏名がタカラジェンヌだと誰の人数和に近いのかを(筆者の独断で1~2名選んで)併記しました。
人数和算出ルールを過去2回の記事で例に出した「佐々木ななお」という架空の人名に適用すると、
「佐+々+木+な×2+お」 = 0+5+3+16×2+11 = 51
となります。出てこない文字はゼロ扱いです。SideMには本名ではなさそうなアイドルも数名いるので、ゲーム内のアイドルファイルおよび恒常カードの自己紹介台詞をもとに芸名として調べました。つまり、アスラン・ベルゼビュートⅡ世さん(Cafe Parade)については下線部分が集計対象です。
なお、当記事の「現役タカラジェンヌ」は公式生徒名鑑である「2021年度版 宝塚おとめ」に顔写真付きで掲載されている計443名を指し、その後の組替えや退団は反映していません。
前回にならい、集計前に予想を立てました。
予想
現役タカラジェンヌの人数和は平仮名含みの名前が上位を占めていたことを考え、1位は渡辺みのりさん、2位は姫野かのんくんと予想しました。華村翔真さん、若里春名くんという既に宝塚歌劇団に居そうな名前も上位予想に入れたかったのですが、やはり平仮名は強いのではないかと。アイドル全員がユニットに所属するSideMにおいてはDRAMATIC STARS(天道輝さん、桜庭薫さん、柏木翼さん)が全員居そうな名前だと思っていますが、文字数が少ないと上位には行きづらいとみました。
結果
せっかくなので、ユニットごとに人数和の平均値と中央値も算出して表にしてみました。
※天ヶ瀬冬馬くんの「人数和が同じ芸名」に都姫ここさん(花組)の名前が抜けています。申し訳ありません。
基本データ
人数和の最大値は86の渡辺みのりさん(Beit)、そして62の華村翔真さん(彩)と続きます。最小値は0の硲道夫さん(S.E.M)と北村想楽くん(Legenders)。人数和の平均値は14.7、最頻値2、中央値9ですので、人数和が大きい少数のアイドルが平均値を押し上げていて、実際はやや小さめの人数和に集中していると考えられます。
ユニット別平均値の最上位はBeit(35.0)で、最下位はAltessimo(3.5)。中央値の最上位はF-LAGS(34)で、最下位はS.E.M(1)でした。
傾向(全体的に)
平仮名を持つみのりさんとかのんくんのワンツーフィニッシュとはならず、間に「華」「真」を持つ翔真さんが食い込みました。続いて「希」「月」「咲」などの頻出字を持つアイドルたちがランクイン。特に、男性名で出てくることの珍しい「美」を持つ冬美旬くん(High×Joker)の4位はいわゆる二次元アイドルらしい結果でもあります。
一方SideMには創作っぽくない現実的な名前のアイドルもおり、木村龍くん(FRAME)、神谷幸広さん(Cafe Parade)や山下次郎さん(S.E.M)などが人数和6以下になったのは何となく想像通りでした。
傾向(ユニットごとに)
Jupiter
平均値6位、中央値4位のユニット。伊集院北斗くんが「斗」だけで人数和を稼いでいるのは意外でした。実は人数和の大きい順に見ていくと最も早く全員登場するのがJupiter。御手洗翔太くんが「御」「太」をきっちり拾っているのがその要因でしょう。アイドル歴の最も長いJupiterらしい、安定感のある結果でした。
DRAMATIC STARS
平均値8位、中央値5位のユニット。筆者の予想に反し中央値では上位3分の1グループに入っています。桜路薫さん・天月翼さん(ともに雪組)など現役タカラジェンヌを思わせる名前が多いDRAMATIC STARSですが、特に天道輝さんと暁千星さん(月組)が同じ人数和なことに意味もなくテンション上がりました。
Altessimo
平均値15位、中央値13位のユニット。元音楽家同士のコンビながら、「音」「奏」など1字で音楽を表すような字を名前に使っていないことが影響したのかこの結果になりました、都築圭さんの「都」が最多使用数というのも意外でした。神楽麗くんの「神」「楽」は単独で使いにくい字なのでしょうか。
Beit
平均値1位、中央値3位のユニット。最多使用数の「り」を持つ渡辺みのりさんが人数和の最大値を記録しただけでなく、「城」を持つ鷹城恭二くんが人数和17に。さすがに「―(長音符)」を使っているタカラジェンヌはいませんでしたが、全体的に使用数の少ない片仮名のみで名前が構成されたピエールくんは健闘したと思います。
W
平均値10位、中央値11位のユニット。「悠」と「享」で前者の使用者数が多いのは納得です。どちらも現役の姉妹タカラジェンヌは14組(うち双子3組)いるのですが、人数和の差において蒼井悠介くん・蒼井享介くん兄弟(双子)の5より近い姉妹は居ませんでした。タカラジェンヌのほうは同じ字を使うことはあっても同じ苗字を名乗らない傾向にあるようです。
FRAME
平均値12位、中央値10位のユニット。元公務員という経歴もあってか比較的堅実味のある名前のアイドルで構成されており、木村龍くんと握野英雄さんが同じ人数和を記録したのはちょっと意外でした。
彩
平均値3位、中央値9位のユニット。筆者としては、猫柳キリオくんは思ったより人数和が大きく、清澄九郎くんは思ったより人数和が小さい印象です。それが中央値に影響したのではないでしょうか。
High×Joker
平均値5位、中央値2位のユニット。2人ユニット以外では唯一、平均値と中央値の乖離がないのはすごいところ。思い返せばこのユニットも宝塚みたいな名前のメンバーが多かったです。季節や自然にちなんだ字はタカラジェンヌに選ばれやすいのでしょうか。
神速一魂
平均値11位、中央値12位のユニット。タカラジェンヌに「朱」「紅」は選ばれても「黒」は選ばれにくい気がしていたので、黒野玄武くんが人数和3を確保したのは意外でした。ちなみに「紅」を使用しているタカラジェンヌは3名とも「くれ」読みで、紅井朱雀くんのように「あか」と読ませる人は居ませんでした。
Cafe Parade
平均値7位、中央値5位のユニット。文字数が多いと上位も見込めるかなとは思っていましたが、まさかアスラン=ベルゼビュートⅡ世さんがここまで人数和を稼ぐとは。水嶋咲ちゃんと卯月巻緒くんが1つ差で並んでいるの、なんか良いですよね。
もふもふえん
平均値4位、中央値8位のユニット。氏名の文字全てがタカラジェンヌに使われていたアイドル6名のなかで最大の人数和を記録した姫野かのんくんの強さが光ります。橘志狼くんの「狼」が使われていないのは予想通りでしたが、岡村直央くんも「丘」ではなく「岡」、「尚」ではなく「直」、といった具合にあまり選ばれていない字で名前が構成されていたためこの位置に。
S.E.M
平均値14位、中央値15位のユニット。舞田類さん1人というか「舞」の字だけでユニット全体の人数和のほとんどを獲得しています。これはFRAME同様に元教員という経歴もあってか比較的堅実味のある名前のアイドルで構成されているからと思われます。
THE 虎牙道
平均値9位、中央値7位のユニット。「城」のみで人数和14を獲得した円城寺道流さんに、奏碧タケルさん(星組)と同じ名前を持つ大河タケルくんが続いた形です。牙崎漣くんの「牙」はまず使われないだろうと思っていました。
F-LAGS
平均値2位、中央値1位のユニット。正直九十九一希くんがこんなに大きい人数和を出すとは思っておらず、「希」の強さを実感。また、秋月涼くんが中央値を押し上げているのも心強いですね。兜大吾くんは「大」の字で人数和6を獲得。
Legenders
平均値12位、中央値14位のユニット。特に北村想楽くんの人数和0は想定外でした。名前が平仮名の「そら」は現役タカラジェンヌに3名居るのですが、漢字表記となると字の選び方が難しいのかなと。葛之葉雨彦さんは「葉」のみならず「之」「雨」も使用字に入っておりユニット内最大の人数和に。
いわゆる二次元のアイドルの氏名をタカラジェンヌの芸名として計算してみたところ、実在するアイドルよりも人数和の最大値・最小値の幅がともに広がりました。最大値はもっと大きくなるだろうと考えていたのですが、最小値がもっと小さくなるのは正直予想外でしたね。筆者の好きなジャンル2つで検証したので、違うタイトルのゲームだったり女性だったり、芸名必須の別業界だったりの名前で調べたらもっと面白い結果になりそうだなあと思います。
というわけで、3回にわたる調査はこれにて完結です。
読んでいただき、ありがとうございました!
※当記事に掲載している図表は予告なく修正・変更することがありますのでご注意ください。