gzmlhzmkwq7w3の日記

 自分の趣味とか雑感その他を、気が向いた時に書き連ねる予定です。【2023/12/20追記:昨今の問題について筆者のスタンスを書きましたので、ブログトップに表示しています。】

2022年版・現役タカラジェンヌの芸名によく使われる字について調べたい

当記事は2022年版です。2021年版をお探しの方は、以下の記事をご覧ください。

gzmlhzmkwq7w3.hatenablog.com

 相変わらず筆者は人の名前を見るのが好きです。
 昨年挑戦したタカラジェンヌの芸名統計が楽しかったので、今年は「所属組による字の傾向の違いはあるのか?」というテーマを設けて挑戦しました。

 

 

「2022年度版 宝塚おとめ」(刊:宝塚クリエイティブアーツ)に顔写真付きで掲載されている宝塚歌劇団の現役生徒の芸名に使われている全ての文字(平仮名・片仮名・漢字)をMicrosoft Excelにて集計し、使っている生徒数の多い字を順に並べた表を作成しました。
 さらにこの表をもとに、芸名に含まれる字を使っている延べ人数(以下「人数和」)が多い生徒を順に並べた表も作成しました。
 そして、使っている字を専科・花組月組雪組星組宙組・研1生ごとにMicrosoft Excelにて集計し、所属組ごとに使っている生徒数(以下「使用人数」)および使用者全体に対する比率(以下「使用率」)を順に並べた表も作成しました。

 仮に「佐々木ななお」という架空の人名を例に挙げてみると、の5文字にそれぞれ1人分ずつ数えた後、人数和を算出する際に「+++な×2+」というふうに通算使用人数を足していくことになります。同じ字が2回登場した場合に人数和の時だけ二重に集計する理由は、「佐々木ななお」と「佐々木なお」のように1文字の有無で印象が変わることがあるためです。「々」のような踊り字や「ょ」のような拗音、「眞」と「真」のような旧字体新字体は異なる字として集計します。要するに、字の種類と出現回数だけで判定しています。

 併記してある画数は各種漢字・漢和辞典を、平仮名の画数は統一概念がないので幼児教育用資料をもとにしました。参考資料などは記事の最後にまとめて記載します。集計ミスがないか確認したのですが、何かしらのミスがあったりお見苦しい図表になっていたりするかもしれませんのでご注意ください。

 なお所属組は「2022年度版 宝塚おとめ」に準拠し、その後の組替えや退団は反映していません。

 

 

せっかくなので集計前に予想を立ててみました。

予想

 昨年の使用字1位が「り」、2位が「美」、3位が「ら」、4位が「あ」、5位が「花」、6位が「乃」、7位が「希」、8位が「ゆ」「月」「真」という顔ぶれだったので、昨年11位の「い」および「み」、昨年27位の「星」は108期生に多い気がすることから逆転トップ10入りすると予想しました。
 所属組ごとに使用率の高い字については使用率40%以上を「高い」と判定することにしました*1。よって昨年集計時の雑感および「生徒一覧」ページから、専科は「美」花組「希」月組「城」雪組「あ」星組「央」宙組「風」、研1生は「星」の使用率が高いと予想しました。
 また昨年と同じく人数和最大は華雅りりかさん(花組)、人数和の小さい生徒ほど1年間で変動が大きいと考えて最小は榊歩さん(研1生)と予想しました。

 

結果

現役タカラジェンヌが芸名に使っている字の一覧(多い順)

 多少ぼやけていますが拡大もしくは画像のコピーで読めるかと思います。

 

基本データ

「2022年度版 宝塚おとめ」に掲載されているタカラジェンヌ全424名(19名減)で366種類(5種類減)の字が使われていました。1字当たりの使用人数の平均値は4.7(0.1減)、最頻値1、中央値2(いずれも不変)ですので、全体として使用頻度の高い字に固まっているわけではなさそうです。

 使用者数1位の字は「り」(47名)で、使用者の人数だけで例年の初舞台生の人数を超えています。次いで「美」(35名。漢字では最多)、「ら」(31名)、「花」(28名)、「い」「あ」(27名)、「み」「乃」(26名)、「希」「華」「真」(25名)というトップ10となりました。

 今年は下記の字が新たに使用されました(画数順)。

八(2画)、じ(3画)、ふ、比(4画)、利、沢、杜(7画)、苑、茉(8画)、重、胡(9画)、逸(11画)、渦(12画)、新、楽、滝、椿、馳(13画)、榊(14画)、蝶(15画)、耀(20画)、纏(21画)

 また、昨年使用されていたものの今年使用されなくなったのは下記の字でした(画数順)。

イ(前年1名)、リ(片仮名、前年2名)、ぞ(前年1名)、エ(片仮名、前年1名)、ミ(片仮名、前年1名)、更(前年1名)、冴(前年1名)、幸(前年2名)、拓(前年1名)、知(前年1名)、旺(前年1名)、哉(前年1名)、耶(前年2名)、倉(前年1名)、庭(前年1名)、隼(前年1名)、望(前年1名)、裕(前年1名)、湊(前年1名)、寧(前年1名)、漣(前年1名)、摩(前年1名)、篤(前年1名)、橘(前年1名)、薙(前年1名)、鞠(前年2名)、雛(前年2名)、轟(前年1名)

 そして芸名に使われていそうな字を集計前にピックアップしておいたところ、上記の他にもこれらの字は使われていませんでした(画数順)。

へ(平仮名)、フ、へ(片仮名)、レ、ー(長音符)、ぬ、ウ、オ、ク、コ、ス、セ、ト、ニ(片仮名)、ヌ、ハ、ヒ、マ、ム、メ、ヤ、ユ、ラ、ワ、む、も、を、ウ、エ、オ、シ、チ、ツ、テ、モ、ヨ、ロ、ヲ、上、女、弓、ネ、ホ、心、冬、広、氷、玄、玉、生、卯、地、衣、秀、見、夜、実、宙、直、怜、洋、神、恭、恵、流、道、晶、絵、銀

 

 

所属組ごとの使用字の傾向

 これも多少ぼやけていますが拡大もしくは画像のコピーで読めるかと思います。

専科


 専科は40%以上で多い判定する基準を設けた結果、2人のうち1人使用した字「京」「高」「三(漢数字)」「圭」の50%がボーダーラインになり該当する字が13種類。使用率の高い字の傾向として、「門」「汝」「子」などここ数年の流行にはないものがある程度目立ちます。33.3%の字「凪」「英」「悠」「穂」を含めて検討すると、季節感のある字が少なめなのも特徴かもしれません。
 一番使用者数が多いのは「美」の3人(8.6%)。

花組


 花組は使用率40%以上の基準に該当する字が56種類。使用者3名で100%を記録する「来」があります。使用率「航」「司」など男性名に使われそうな字、「湖」「葉」「芹」など自然にまつわる字、「二」「三」「七」など漢数字が高く、「高」「空」「矢」「翼」など飛ぶことをイメージするような字が高いのも特徴的。
 一番使用者数が多いのは「美」の11人(31.4%)。で、平仮名が結構人気です。予想に入れた「希」は7人(28.0%)。ちなみに「花」は3人(10.7%)。

月組


 月組は使用率40%以上の基準に該当する字が49種類。使用率「佳」「時」「歌」など人間が作り出した概念や物事にまつわる字、「ア」「ナ」などの片仮名、そして「楠」「李」「葵」など植物でも他の組での使用が珍しい字が高いです。
 一番使用者数が多かったのは「り(平仮名)の9人(19.1%)。予想に入れた「城」は5人(35.7%)。ちなみに「月」は6人(35.3%)と僅差ですし、実はそのどちらよりも「蘭」の6人(46.2%)のほうが使用率は高いです。

雪組


 雪組は使用率40%以上の基準に該当する字が56種類。他の組と比較して片仮名と漢字が使用率上位に位置します。「黎」「野」「夢」など10画以上の字、「絢」「綾」「織」など糸にまつわる字のほか、「京」「圭」など専科生に多い字と共通するものもいくつかあります。
 ただし使用者数に限っては上位4つがすべて平仮名「み」「り」「ゆ」「あ」、そこに「月」「愛」「華」など夢々しい字が続くのは他の組にない特徴。一番使用者数が多かったのは「み」「り(平仮名)の8人(順に30.8%、17.0%)。予想に入れた「あ」は7人(25.9%)。ちなみに「雪」は0人。かつて「彩」が多いと言われていたこともありましたが、実は3人(16.7%)で今は月組のほうが多いです。

星組


 星組は使用率40%以上の基準に該当する字が53種類。使用者4人で100%を記録する字「碧」があるのはすごいです。また使用率については「碧」だけでなく「藍」「蒼」「紫」など寒色系の字、「瞳」「綺」「煌」「渚」などキラキラ系の字、「御」「極」など厳かな字が高い一方、自然にまつわる字の使用率は低いです。
 一番使用者数が多かったのは「り(平仮名)の13人(27.7%)。予想に入れた「央」は4人(50%)で、「咲」が使用者数2位の7人(30.4%)なのは特徴的。ちなみに「星」は3人(18.8%)で、「華」は7人(28%)とどの組よりも多いです。

宙組


 宙組は使用率40%以上の基準に該当する字が58種類。雪組同様使用率上位には平仮名があまり入らないのは特徴の1つです。予想に入れた「風」の使用者数が10人(50%)と多いのは本当でしたし、「楓」「嵐」「吹」「帆」使用率が高いので風が吹きまくっています。あとは「山」「鷹」「秋」など自然と季節にまつわる字、「松」「木」「明」「保」など一般的な姓名に使用される字が目立ちます。
 一番使用者数が多かったのは「風」とともに同数の「り(平仮名)(21.3%)。ちなみに「宙」は前述の通り0人で、「空」は1人(14.3%)。「花」が9人で使用者数3位(32.1%)で、実はどの組よりも多いです。

研1生


 研1生は使用率40%以上の基準に該当する字が33種類。使用率「恋」「苑」「蝶」など夢々しい字とともに、「比」「利」「渦」というちょっと意外性のある字が高いです。特に50%ゾーンの「丘」「歩」「粋」など星組との重複が多いかもしれません。
 一番使用者数が多かったのは「い」の6人(22.2%)で、そこに「輝」「咲」「ら」「美」の4人が続く構図は、使用者数上位一覧でみると花・星・宙組の傾向に近いです。予想に入れた「星」は2人(12.5%)。
 明日5月31日(火)付で組配属される研1生の皆さん、各組で羽ばたいてくださいね!

 

現役タカラジェンヌの芸名の人数和の一覧(多い順)

 人数和についてはこのようになりました。簡単にいうと「人数和100を超える」=「自分と同じ字を芸名に使っている延べ人数が100人超え」ということです。
 これも多少ぼやけていますが拡大もしくは画像のコピーで読めるかと思います。



基本データ

 人数和の最大値は146(1減)の華雅りりかさん(花組)、最小値は3(不変)の榊歩さん(研1生)。人数和の平均値は55.4(1.4減)、最頻値35(3増)、中央値54(2減)ですので、平均値と中央値の乖離が少ないことから人数和については特に極端な分布は示していないと考えられます。

傾向

 平仮名を使った芸名が上位を占めました。これは「2022年度版 宝塚おとめ」71ページのコラムにも書かれていますが、平仮名を使った芸名が現役タカラジェンヌの約半数を占めていることも大きいでしょう。
 一方で片仮名を使った芸名は昨年の9名から6名へ減少しました。平仮名に比べて芸名としてバランスをとるハードルが高いのか、片仮名を使った芸名は年に1名いれば多いほう。そして昨年度退団した3名が94期~97期生と研10以上だったというタイミングが重なったのも要因と考えられます。
 人数和の減少した生徒が多いのは、生徒数が減ればおのずと1字あたりの使用者数が減るためある意味当然です。最多の「り(平仮名)は48人から47人へと減少しましたが、使用者数を足していく形式においては力の強い数字であり、人数和が最も大きい生徒と2番目に大きい生徒との差がむしろ開きました。

 

 

 人数和に関する予想は割と上手く行ったのですが、集計時の実感をふまえて予想した所属組別の使用字に関してはなかなか的中しませんでした。でもやっぱり楽しかったです。
 そういえば、集計しながら「『月』こんなに減る?(26→17)」と思って去年の表と見比べたところ、こんなに減ってましたね……一気に退団されました*2 。使用人数20以上の字の顔ぶれはおおむね変わらず、「い」は昨年と使用人数がほぼ変わらなかったのですが「月」との入れ替わりのような形でトップ10入りしました。

 

 

 

 こうして人数和および所属組別の使用率を計算してきたわけですが、このデータを使えば世の中の様々な名前がタカラジェンヌだと誰に近いかだけでなく、どの組っぽいのか算出するのも可能なわけです。実に酔狂な試み。
 というわけで今年も筆者自ら検証しました。
 そのために作成した使用字の一覧および所属組別の使用率の一覧(画数ごと)を掲載しておきます。果たしてどうなったのでしょうか?次回をお楽しみに。

 

 読んでいただき、ありがとうございました!



<参考資料>

2022年度版 宝塚おとめ(宝塚クリエイティブアーツ) ※情報源
例解学習漢字辞典第五版(小学館) ※筆者が小学生の時に使っていた漢字辞典
明解漢和辞典第百十七刷(三省堂) ※我が家にある最古の漢和辞典
ちびむすドリル(株式会社パディンハウス) [https://happylilac.net/hiraganahyo-kakizyun.htmlおよびhttps://happylilac.net/katakanahyo-kakizyun.html]

 

 

※当記事に掲載している図表は予告なく修正・変更することがありますのでご注意ください。

*1:使用人数4人以下なら50%以上、5人以上なら40%以上で「多い」と言えるかな、という考えです。

*2:冴月瑠那さん(花組)、愛月ひかるさん(星組)、美月悠さん(宙組)ら10名)。