当記事は2025年版です。2024年以前の版をお探しの方は、以下の記事をご覧ください。
いたるところで筆者は人の名前を見るのが好きです。今年度の新たな試みである「読み仮名」を含め、タカラジェンヌの芸名について調べました。
「2025年度版 宝塚おとめ」(刊:宝塚クリエイティブアーツ)に顔写真付きで掲載されている宝塚歌劇団の現役生徒の芸名に使われている全ての文字(平仮名・片仮名・漢字)および読み仮名をMicrosoft Excelにて集計し、使っている生徒数の多い順に並べた表を作成しました。
さらにこの表をもとに、芸名に含まれる字および読み仮名を使っている延べ人数が多い生徒を順に並べた表も作成しました。
所属組による字の傾向の違いについては調査していません。
仮に「代々木だいいち」という架空の人名を例に挙げてみると、代・々・木・だ・い・ちの6文字にそれぞれ1人分ずつ数えた後、延べ人数を算出する際に「代+々+木+だ+い×2+ち」というふうに通算使用人数を足していくことになります。同じ字が2回登場した場合に延べ人数の時だけ二重に集計する理由は、「代々木だいいち」と「代々木だいち」のように1文字の有無で印象が変わることがあるためです。「々」のような踊り字や「ょ」のような拗音、「眞」と「真」のような旧字体と新字体は異なる字として集計します。要するに、字あるいは読み仮名の種類と出現回数だけで判定しています。
併記してある画数は各種漢字・漢和辞典を、平仮名の画数は統一概念がないので幼児教育用資料をもとにしました。参考資料などは記事の最後にまとめて記載します。集計ミスがないか確認したのですが、何かしらのミスがあったりお見苦しい図表になっていたりするかもしれませんのでご注意ください。
なお所属組は「2025年度 宝塚おとめ」に準拠し、その後の組替えや退団は反映していません。
せっかくなので集計前に予想を立ててみました。
予想
字部門
昨年の使用字1位は「り」、2位が「美」、3位が「ら」、4位が「あ」「い」、6位が「み」、7位が「ゆ」、8位が「乃」、9位が「希」、10位が「花」「咲」「真」という顔ぶれでした。漢字トップスリーの「美」「乃」「希」に対し、第111期生に多い「花」がこの布陣に食い込むと期待します。
昨年に同じく延べ人数最大は華愛りりいさん(宙組)、最小は榊歩さん(雪組)と予想。
読み仮名部門
使用字でひらがな1位は「り」ですが、宝塚おとめP.5掲載の50音索引で「あ」から始まる生徒が大勢いるため読み仮名1位は「あ」と考えます。「み」「さ」はトップファイブに入るでしょうし、母音がア段の字が全般的に強力なのではないでしょうか。ア段のない芸名ってあまりいない印象なので(パッと思いつく範囲だと一樹千尋さん(専科)、彩みちるさん(月組)、音彩唯さん(雪組)、大路りせさん(宙組)らがいます)。
直感ですが延べ人数最多は朝香ゆららさん(月組)、最少は諏訪さきさん(雪組)と予想。読みが4文字の生徒が最少になると考えて、馳琉輝さん(星組)との間で迷いました。「す」と「わ」が少ないと考えたのが決め手です。
結果
字部門
現役タカラジェンヌが芸名に使っている字の一覧(多い順)
多少ぼやけていますが拡大もしくは画像のコピーで読めるかと思います。










基本データ
「2025年度版 宝塚おとめ」に掲載されているタカラジェンヌ全423名(4増)で367種類(6増)の字が使われていました。1字当たりの使用人数の平均値は4.62(0.08減)、最頻値1(不変)、中央値2(不変)ですので、昨年同様使用頻度の低い字に固まっている可能性がありそうです。
使用者数1位の字は「り」(48名)、次いで「美」(35名。漢字では最多)、「い」(32名)、「ら」「あ」「花」(29名)と続きます。昨年比の増減が1~3名で収まる字がここまでの上位を占めるなか、5名増の「花」の同率4位は予想通りの躍進でした。残りのトップ10は「み」(27名)、「ゆ」「乃」(27名)、「希」「咲」(24名)です。
もし上位6字だけで芸名を考えるならば、変化球ですが沖縄方言の読みを使って「美ら花あいり」(チュラハナ・アイリ)になるでしょうか。ひらがな4種類と漢字2種類は組み合わせるのが難しいですね。
今年は下記14字が新たに使用されました(画数順)。
も・凡(3画)、友(4画)、実・幸(8画)、隼(10画)、貴(11画)、貴・湊・琥(12画)、瑚(13画)、橙(16画)、鞠(17画)、羅(19画)
また、昨年使用されていたものの今年使用されなくなったのは下記の字でした(画数順)。
ど (前年1名)、禾(前年1名)、由(前年1名)、見(前年1名)、栖(前年1名)、理(前年1名)
そして芸名に使われていそうな字を集計前にピックアップしておいたところ、上記の他にもこれらの字は使われていませんでした(画数順)。
へ(平仮名)、フ、へ(片仮名)、レ、ー(長音符)、ぬ、ウ、エ(片仮名)、オ、カ、ク、コ、セ、ト、ニ(片仮名)、ヌ、ハ、ヒ、マ、ム、メ、ヤ、ユ、ワ、ン、む、を、ぐ、ぞ、ウ、エ、オ、シ、チ、ツ、テ、ミ、モ、ヨ、ロ、ヲ、上、女、弓、ネ、ホ、戸、加、冬、広、氷、玄、玉、生、卯、地、衣、更、秀、冴、依、夜、尚、明、拓、直、知、怜、旺、草、洋、神、哉、耶、倉、庭、恭、恵、時、流、留、萌、惟、晶、裕、蒔、寧、銀、漣、摩、篤、橘、薙、雛、轟
現役タカラジェンヌの芸名ごとの延べ人数の一覧(多い順)
延べ人数についてはこのようになりました。簡単にいうと「100を超える」=「自分と同じ字を芸名に使っている延べ人数が100人超え」ということです。
これも多少ぼやけていますが拡大もしくは画像のコピーで読めるかと思います。


基本データ
延べ人数の最大値は163(2増)の華愛りりいさん(宙組)、最小値は3(不変)の榊歩さん(雪組)。平均値は53.95(0.65減)、中央値51(3減)、最頻値は38(前回36、前々回は39・52・62)ですので、平均値と中央値の乖離が少ないことから延べ人数については特に極端な分布は示していないと考えられます。
傾向
過去4年度分の延べ人数のヒストグラムをご覧ください。

最大値の突出具合は大きいですが、最頻値の突出具合はさほどではありません。年々まとまったヒストグラムになってきた印象です。
読み仮名部門
現役タカラジェンヌが芸名に使っている字の一覧(多い順)
多少ぼやけていますが拡大もしくは画像のコピーで読めるかと思います。






基本データ
「2025年度版 宝塚おとめ」に掲載されているタカラジェンヌ全423名で65種類の読み仮名が使われていました。1字当たりの使用人数の平均値は36.38、最頻値1、中央値23ですので、使用頻度の低い字に固まっている可能性がありそうです。
使用者数1位の読み仮名は「き」(152名)で2位の「み」(121名)に30以上の差をつけました。その次がトップ予想した「あ」(114名)、「か」(113名)、「う」(109名)、「い」(107名)と、近い数字で競り合っています。10位までの顔ぶれは「り」(102名)、「な」(101名)、「は」(87名)、「さ」(77名)でした。ア段が5種類、イ段が4種類、ウ段が1種類、エ段とオ段と「ん」が0種類なので、ア段の強さはある程度証明できたと思われます。
もし上位6つの読み仮名だけで芸名を考えるならば「アイキ・ミウカ」(例:愛妃みう華)、「アキウミ・カイ」(例:秋海快)あたりでしょうか。むしろ上位5つの読み仮名で「ウミカ・アキ」(例:羽美花あき)の方が実際にいそうです。
これらの読み仮名は使われていませんでした(五十音順)。
ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ、ぬ、へ、を、ぢ、べ、ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ
現役タカラジェンヌの芸名の延べ人数の一覧(多い順)
延べ人数についてはこのようになりました。簡単にいうと「500を超える」=「自分と同じ読み仮名を芸名に使っている延べ人数が500人超え」ということです。
これも多少ぼやけていますが拡大もしくは画像のコピーで読めるかと思います。



基本データ
延べ人数の最大値は681の糸月雪羽さん(花組)、最小値は181の二葉ゆゆさん(宙組)。平均値は431.24、中央値433、最頻値は354ですので、平均値と中央値の乖離が少ないことから延べ人数については特に極端な分布は示していないと考えられます。
傾向
ア段は強いですが、延べ人数についてはア段が1種類のみの糸月さんが最大値を記録しました。加点式の計算なので最多の読み仮名「き」が複数回あると大きくなりやすいためと思われます。最大・最小ともにタカラヅカ感の強い芸名なので意外な結果でした。
最大値と予想した朝香ゆららさん(月組)は509(81位)、最小値の予想で最終候補だった諏訪さきさん(雪組)は405(274位)、馳琉輝さん(星組)は337(367位)でした。「き」の影響力を読み切れなかったです。
ヒストグラムは以下のようになります。字も読み仮名も、平均値と中央値の乖離は同程度です。

検証で主に使用した生データの表は2つ前と1つ前の記事に掲載してあります。
この記事を読んだ皆さんにおかれましても、表をコピーしてお手持ちの統計ソフトに貼り付けると、お好きな名前で延べ人数を算出できます。ぜひともどうぞ。
読み仮名部門を設けたことにより、この世のあらゆる日本語の固有名詞を芸名統計に巻き込めるようになったところで当記事はいったんここまで。
次以降の記事では、筆者の愛好するさまざまなジャンルの名前が現役タカラジェンヌだと誰に近いのか、ひたすら検証していきます。もしよければ引き続きお付き合いいただけると幸いです。
読んでいただき、ありがとうございました!
<参考資料>
2025年度版 宝塚おとめ(宝塚クリエイティブアーツ) ※情報源
例解学習漢字辞典第五版(小学館) ※筆者が小学生の時に使っていた漢字辞典
明解漢和辞典第百十七刷(三省堂) ※我が家にある最古の漢和辞典
ちびむすドリル(株式会社パディンハウス) [https://happylilac.net/hiragana-50.htmlおよびhttps://happylilac.net/katakanahyo-kakizyun.html]
※当記事に掲載している図表は予告なく修正・変更することがありますのでご注意ください。