gzmlhzmkwq7w3の日記

 自分の趣味とか雑感その他を、気が向いた時に書き連ねる予定です。【2023/12/20追記:昨今の問題について筆者のスタンスを書きましたので、ブログトップに表示しています。】

「$10」(SMAP)をカバーするHiHi Jetsを宝塚歌劇団の各組スター揃い踏みと思って見ている話をしたい

 9月から10月の「ザ少年倶楽部」(NHK BSプレミアム)でHiHi Jetsが披露したパフォーマンス、どれも格好良かったですね!
 特に好きだったのが10月8日放送の「$10」(SMAP)のカバーです。赤と黒が基調になった布多めのゴージャスな衣装を翻しながら、武器であるローラースケートを脱いでもキレッキレに歌い踊る姿は最高でした。それに、5者5様のスタイルが筆者の大好きなジャンルである宝塚歌劇団の花・月・雪・星・宙の5組それぞれのスターのように見えて仕方ありません。
 というわけで、筆者が誰をどの組のスターだと思ってこのパフォーマンスを見ているか、ソロパートの早い順に書いてみようと思いました。

 何かのきっかけでHiHi Jetsもしくは宝塚歌劇団が気になったというかたがひょっとするとこの日記に辿り着くかもしれませんし、筆者自身の思考を整理する意味でも、丁寧さを心掛けて書いていきます。

※2021年10月8日にNHK BSプレミアムで放送された「ザ少年倶楽部」のパフォーマンスをもとに語りますので、ご家族やご友人にその放送の映像を持っているかたがいらっしゃったら見せていただくなどしてもらえると解像度が高くなるかもしれません。セレクションスペシャルという名前の総集編が月末に放送されたり、稀に地上波で再放送があったりするので、その予定があればお知らせします。
[2021/11/09 23:50追記:11月13日(土)24:35
からNHK総合でこの回が再放送されます!セレクションスペシャルはノーカットと限らないため、貴重な再放送の機会に是非ともご覧ください!]
[2021/11/24 22:05追記:11月26日(金)18:00からNHK BSプレミアムにて10月分のセレクションスペシャルが放送されます。公式の番組内容紹介によれば残念ながら「$10」の放送予定はないようですが、彼らの武器であるローラースケートでパフォーマンスする「Make You Wonder」も非常に格好良いので是非ともご覧ください!]
[2021/11/29 22:30追記:10月のセレクションスペシャルにて「$10」がノーカットで放送されていました。そして、つぶやきコーナーで「$10」衣装を紹介してくれたゆうぴーこと髙橋優斗さんに感謝です。]
[2023/3/12 11:25追記:2023年3月10日放送にて最新の「$10」が披露されました。より大人になった彼らのパフォーマンスを、NHK総合での再放送(未定)あるいは3月分のセレクションスペシャルでチェックしていただけると幸いです。]

 筆者は宝塚歴のほうが長いので、宝塚ファン目線強めの仕上がりになりました。過去にHiHiの5人の組配属を空想したこともありますが、それとは独立しているものとします。先に書いておくと、その時の組配属からはかなりガラッと変わりました。
https://gzmlhzmkwq7w3.hatenablog.com/entry/2020/09/12/122236

 

 

作間龍斗 → 宙組

 作間龍斗くん(作ちゃん)といえばHiHiで最も背が高く、人目を引く長い手足をコントロールする的確なダンスが美しいひとです。高身長の男役が多い宙組を思い出さずにはいられません。
 また全体的にミステリアスな雰囲気を醸し出しているのも特徴的。今回のパフォーマンスは5人中3人が重めの前髪やハンチング、ハットなどで目元がよく見えないスタイリングをしています。そんな中『君が僕を愛し始めたのは ステキな偶然さ』と歌う作ちゃんは目元がはっきり見えているのに表情はとてもクールで謎めいていて、陰か陽かといえば陰のトップスターが多めの宙組らしいと感じました。
 今年の夏に行われたコンサートで中島健人さん(Sexy Zone)の「Black Cinderella」をソロで披露した作ちゃんの映像が公開されているのですが、この作ちゃんも上手く言えないけど宙組っぽい。
https://www.youtube.com/watch?v=Jwi2Wn4xxNU ← 6:00~の造形美とダンステクニックを活かしきったソロパフォーマンス。「神々の土地」(宙組、2017年)の有名な台詞を借りて「美しいものを見ることには価値がありますもの」と言いたくなります

 
猪狩蒼弥 → 花組

 何を隠そう当記事の執筆動機は、「$10」の猪狩蒼弥くん(ガリさん)のパフォーマンスに「花男(=花組男役)だ……!」という感想を抱いたからです。
 リズムの取り方がダイナミックで特に脚の動きが垢抜けていて、どの瞬間を切り取っても画になりそうなのが花組らしいと思いました。これは優れた柔軟性やバランス感覚の賜物でしょう。彼はローラースケート場でスカウトされてジャニーズ事務所に入ったという珍しいエピソードの持ち主であり、事務所に入る前からローラースケートを嗜んでいたことも彼のダンスを裏打ちしているのかもしれません。あとSMAPの「$10」を見たことないはずなのに、ガリさんの歌う『重なるDrink and Eat』中居正広さんが見えた気がしたんですよね。中居さんは花組経験のあるトップスターじゃないですか(?)。
 個人的には、宝塚歌劇を観たら一番好きになってくれそうなのがガリさんです。好きなものを1位から100位まで挙げてトークしようというYouTubeの企画でディズニー作品をいくつか挙げていたひとなので、ディズニー出身のスタッフが製作した同名アニメ映画に着想を得たブロードウェイミュージカル「アナスタシア」(宙組、2020年)はいかがでしょう。今はどの組にもダンスの巧いトップスターやトップ娘役がいるので、近いうちに観劇してくれたらとても嬉しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=hk8-eMstzao  ←14:38~の1位から50位一覧に見えるディズニー作品の数々、そして5位が「ディズニー」
 
https://www.youtube.com/watch?v=w1dmvbs7n6g  ←宝塚歌劇団版「アナスタシア」の公式PV

 
橋本涼 → 星組

 HiHiの中だと相対的に細面の橋本涼さん(はしもっちゃん)は、この手の衣装で派手な髪色だと特に男役感が増します。ソロパートの『どうして愛はお金がかかるんだろう ?抱きあうだけじゃダメ』の深い響きのある低音と後半で口角を上げるところが星組男役としか形容できなくなりました。色気があって体を鍛えているひとなので、「清く、正しく、セクシーに」という演出家の指導のもとレビューを上演したことがあり*1宝塚歌劇専門チャンネルの特番で何故かトップコンビが筋力試しをしていた星組は結構ありなのではないかと。
https://www.tca-pictures.net/skystage/Prgm/Detail/10930.html ←星組の「体を張った見事なトライ」(引用)

 彼はかつて、プロの力を借りてそれぞれの理想の女性に変身しようというYouTubeの企画で「いつの時代もギャルは必要なんで」と言い自らの女装を通して現代のギャルにエールを送ったことがあるのですが(?)、このギャルもっちゃんの写真を見せて「娘役だったらどの組にいそう?」と宝塚歌劇ファンのかたに聞いた場合、たぶん返ってくる答えの半分以上は「星組」だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=PlwBEeGnFq0 ←13:10~ギャルもっちゃんの登場。真剣に取り組むHiHiが楽しそうなので、全編見ていただけると筆者が喜びます

 
井上瑞稀 → 雪組

 井上瑞稀さん(みじゅき)は安定感のあるボーカリストですが、実のところダンスも演技も巧いオールラウンダー。また、比較的小柄*2で母親似という容姿と、子役などの形で抜擢を受けて鍛え上げられた経験もあります。そんなみじゅきがグループのために自分ができることとして「歌」を押し出していく姿勢。こんな感じのトップスター、雪組で見たことある気がする。そして、『Step-upなんか望めない恋』で5人並んでステップ踏みながら前進する振付の時、衣装の構造やカメラ位置の関係かもしれませんが右脚の蹴り上げの打点を高く美しくこなしている堅実さも雪組感あります。
 https://www.youtube.com/watch?v=oWObHA2roy8  ←7:18~続々と紹介される月9、カレーのCM、日曜劇場という華麗なラインナップ
 宝塚歌劇では和装の演目を「日本物」と呼び、日本物は雪組の伝統とも言われています。時代劇と縁遠いHiHiですが、みじゅきは昨年単独出演したテレビドラマで髷の鬘をつけてお芝居をしました(NHK大河ドラマ麒麟がくる織田信忠役)。「$10」の間奏に突入する部分でソロで抜かれるなど隙のないみじゅきの表現力は、経験値にプラスして緻密さが求められる時代劇のお仕事を得られた要因に思えてなりません。

 
髙橋優斗 → 月組

 5番目に持って来たので消去法みたいに思われるかもしれませんが、結構合っている気がするのが髙橋優斗さん(ゆうぴー)。月組ってアイドル的な煌めきを放つタイプが定期的に現れるので、あのきゅるきゅるんとした感じは月組に置きたいですね。ソロパートの『困る僕』のような等身大さを見せる方向性が見事にはまりましたし、周りがクールめなのでゆうぴーの表情豊かさがアクセントになっています。ガリさんのソロパート『これ以上はBang!』からのチャッチャッチャーララン!の直後は5者5様で格好良いんですけど、ここのゆうぴーに筆者は「はわわわわ……」となったので是非とも見ていただきたい。あとみじゅきのソロパート『I want you, lady. その気にさせるんだ』の後ろで手をひらひらさせている (飛んでいく札束のイメージ?)のもポイント高いです。月組そういう的を射た創意工夫好きそう。
 ちなみに5人の中で最も年長かつ最も後輩のゆうぴー*3。芸能活動への意識はあったけど履歴書を送り始めたのは高校入学後、ダンス不得意のためオーディションは目立つ作戦で乗り切り、ネタになればと思ってジャニー喜多川さんに話しかけに行くという、半ば記念受験的な趣で一発合格を果たしました。ごく稀にいるじゃないですか、歌劇団のことをよく知らないまま受験してエリート街道を駆け上がるタイプ。彼がこの楽曲のイントロとアウトロでセンターに立っているの、めちゃくちゃ夢があると思ってしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z_0n52p4EKU  ←9:48~ゆうぴーのオーディション思い出話
https://www.tvlife.jp/entame/223201 ←2年前に出演したテレビドラマの1カット。「$10」からは一切想像できない澱んだ暗い目つきに「芝居の月組」らしい振れ幅を感じられるかもしれません

 

 

 

 せっかくの機会なので、宝塚歌劇団HiHi Jetsの今後のお仕事や出演番組についても書いていきます。

 宝塚歌劇団のほうは文章中で紹介した順に参ります。

 宙組は2手に分かれての公演の稽古に励んでおり、全員集合するのは来年2月の「NEVER SAY GOODBYE」。この作品で初舞台を踏んだ現トップスターの主演で再演することになりました。名曲揃いの大作ミュージカルです。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2022/neversaygoodbye/index.html

 花組は今月6日に宝塚大劇場で新作の二本立ての開幕を迎えたばかりです。新進気鋭の演出家の大劇場デビュー作である芝居と、花組100周年を祝うショーの二本立て。派手で明るくて景気の良い作品が上演されていると思うと楽しいですね。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/baroquerock/index.html

 星組宝塚大劇場での千秋楽を迎え、東京宝塚劇場の初日を控えています。演目はそれぞれ、日本物に並々ならぬ愛情を注ぐ演出家と、ロマンチック・レビューという己の型を極めたベテラン演出家が手掛けています。そして来年の本拠地公演は第108期生のお披露目公演となる予定です。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/yagyuninpouchou/index.html

 雪組は今月14日に迎える東京宝塚劇場の千秋楽に向けてヒートアップしています。とにかく脚が長いトップスターのお披露目公演に漫画原作の芝居を選び、しかも有名な「CITY HUNTER」を持ってきたことで、この公演で初めて宝塚歌劇に初めて触れたというかたも多かったのではないでしょうか。ショーはとにかく赤く熱く、大人数でのラインダンスも見所です。そして来年の本拠地公演は日本物が待っています。
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2021/cityhunter/index.html

 月組は来年元日に開幕する宝塚大劇場公演の稽古初日をそろそろ迎える頃です。新トップコンビの本拠地お披露目公演は邦画の舞台化とジャズショーという二本立て。芝居のほうは映画ならではの演出をどうするのか注目ですし、ジャズをメインにしたショーが何故か巡ってきやすい月組の新たな姿も気になるところです。https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2022/romance_gekijo/index.html

 ちょうど今月23日24:45からNHK BSプレミアムで前回の雪組公演が放送される予定ですので、視聴できる環境のかたは一度ご覧ください。歌唱力に定評のある前雪組トップコンビの退団公演で、個人的におすすめなのは2幕のショーです。演出家は藤ヶ谷太輔さん(Kis-My-Ft2)主演ミュージカル「ドン・ジュアン」を担当した先生です。ラップもあるよ。
https://kageki.hankyu.co.jp/news/20211022_003.html

 実はHiHi Jets、11月7日放送の「THE MAKEOVER」(日本テレビ系)という番組で化粧品CM風の美女に大変身したのですが、そのメイクを手掛けたうちの1名がなんとCHIHARUさん。CHIHARUさんといえば雪組花組に合計18年間在籍した宝塚歌劇団の男役という前歴を持つヘアメイクアーティストであり、HiHiがミュージカル「DREAM BOYS」でお世話になった紫吹淳さんの同期生(第72期生)でもあります。まさかHiHiがCHIHARUさんにメイクを施される未来がくるとは思っていなかったので、好きなものと好きなものがクロスした感動が今も心に残っています。11月14日12:44までTVerで公開されていますので、是非ともご視聴を。
https://tver.jp/corner/f0088166

  そしてHiHi Jetsは11月20日・21日に国立代々木競技場 第一体育館で単独コンサート「五騎当千」を開催予定です。チケットはおそらくもう入手困難、筆者は諸般の事情によりチケット申し込みさえ断念しました。会場に行かれるかたは存分にお楽しみいただき、この記事を読まれたかたがこの日辺りにHiHi Jetsの名前を見聞きした際に「あのグループだ」と思ってあたたかく見守っていただければ嬉しいなと思います。

 

 読んでいただき、ありがとうございました!

*1:「Bouquet de TAKARAZUKA」(星組、2017年)のこと。指導についてはデイリースポーツのこの記事を参照。

*2:そもそもHiHiは全体的に背が高いのでみじゅきがそこまで小柄なわけではなく、170cmあります。

*3:ジャニーズ事務所はオーディションの対象年齢が広いらしく、ゆうぴーから見たはしもっちゃんとみじゅきは1歳年下の6年先輩にあたります。なお事務所入り1年目=入団1年目(研1)とすると、平均年齢20.2歳のグループながらはしもっちゃんとみじゅきは研13、作ちゃんとガリさんは研9、ゆうぴーは研7に相当。ゆうぴーがオーディションを受けた頃に宝塚大劇場で第101期生が初舞台を踏んでいたと言い換えれば分かりやすいかもしれません。